「 recollection 」-Live report-


IS 2003 6/4 渋谷DESEO ツアー「フライ」初日




1. discord
2. PINK
3. シンパシーリズム
4. season(新曲)
5. 日曜日
6. lemon tea


セッティングの間スクリーンには宮崎アニメの作品が映し出されていた。
それが妙に合っていてISっぽい

淳人さんのカウントからdiscord。響き渡る深みのあるベースの低音、そして心音と重なるようなドラムの音。
合間に綺麗なアコギの音が広がっていく。
静かでいて、深く深すぎる心の葛藤。心の中にある自分自身。
逃げているようで、でも何かを見ないでいることが出来ないと知っていて。
「深く 深く 深く 今日は眠ろう」「逃げるように 癒えるように」
そう言い聞かせて眠りに落ちる、熱を帯びていてでも静かで激しい曲だと改めて認識。


「有難うございます。」と始まり「こんばんはISです。」とMC。
「えーと…ツアー"フライ"とうとう始まりました。あいにくの雨なんですけれども、僕達の音楽がより多くの人に聴いてもらえるようにと、
後より多くの人に潤いのある生活を送るためにと想います。」と"えーと"という言葉が何度も出てきたMCでした。
決意表明みたいなお言葉と、「今思い描いた気持」を描いたままにおっしゃっているみたいに感じて温かかったです。


そして「PINK」の名を告げて淳人さんの声によるカウントでPINKに。
照明がピンクというよりは温かな紅とオレンジと桜色の混じった色彩。
シャンシャンと聴こえるパーカッションと綺麗なのにしんみりとなるギターの音が印象的。
その中で大きく心に伝わるベースの音が切ない気持を引き出そうとする。
祐輔さんの視線が前方に。まっすぐに前を向いて歌う姿がとても素敵だった。
「はらはらと落ちる花」そして「心を閉ざした僕」「戸をあけて出て行く"君"」。
切なさと手を伸ばせない苦しさと心の中に秘めて閉ざした想い。
切なく歌い上げる祐輔さんが見れなかったり(笑)
ISに自分が今回望んだ事「癒し」ではなくちゃんと聴きたいと想ってしまった。


そのままカウントに入り久々のシンパシーリズムに。
私個人の意見だけど、懐かしいけど日本的ではなくて…昔の音みたいに感じる序盤の音。アジアン系の昔の音楽。
「サンスクリット語」とか使いそうな雰囲気。
「長い嵐を抜けて、強く梶を取り直す」
「真夏の夜にたまたま君の寝顔を見ているよ」
「自分を探す事なんてどうでも良いと想っていた」
正確に聞き取れたか不明ですが、歌詞を耳で聞き取っている中で「船」「海」「探す」「地図に無い島=まだ自分の中で身を潜めている心の内側」というイメージがありました。
シンパシーという単語の意味は「調和」ということなのですが、discordとは違う面を持っているのが言葉の雰囲気からも感じたりする。
因みにdiscordは調べたところ「不協和音」という意味もあるらしい。
のびのびと刻み込むドラム。温かみのある低音のベース。沢山の色を放つようなギター。
「まるでこの世にもういない…人のように」
途中で出てくる言葉が何故か心に残ってしまう。言葉の一つ一つが意味を超えた何かを持っていて、切なく。
アレンジが変わったのか今までのシンパシーリズムにあった部分がなくなっていました。
幻想的な場面で、祐輔さんの綺麗な声が響いているから好きだったのに。
今回のみなのかなとか、アレンジを変えてしまったのかなとか。


「有難うございます」と一言告げて「本当、久々の新曲です。初めて弾くのでちょっと怖いんですけど、聴いてくださいseason。」と紹介して今回初披露のseason。
祐輔さんはギターを変えて演奏です。
アコギのいつもの音と違う響きが心にしんみりする。
誰かに何かに投げかけるような歌い方。上向きな視線と、綺麗な声。
照明は明るく白い。暖色系の2色と白い明かりが合っていて綺麗。
涼しげな風(心がすっきりとすがすがしい風)が音の中にあるみたいで、綺麗で明るく白くて好きになった。
すっと伸びた歌声と空間に染まる音。
その中に心が染まってしまうから、それをどうにかしたかったけど無理で。
すっかり中に自分を溶け込ませた感覚がした。
温かな涼しい感覚、それは双方違った感覚なのに、同じに見える。


MCに入る。ギターを置いて手ぶらで祐輔さんは話し出す。
ツアー"フライ"の日程お知らせと今月のLIVEのお知らせを告げる。
「成長して帰ってきたいと想います。」とまたまた決意を述べてくださる。
そしてこのLIVEから発売された4/9の天窓でのLIVEの音源について説明(3曲入り500円)される。
「5曲入りで500円」と言うのにちょっとかんで(笑)「500入りで…」とか言ってしまう祐輔さん。
しかも「?」となり、本当は3曲いりだと言いなおす。
因みに噛んでしまって「500入り」などと言ってしまった時に「もっと笑うところなんですけどねぇ。」と(笑)
そんなMCを素敵とか考えてしまうのでした。
その自然でほのぼのとしたMCが魅力だったりもします。


そして日曜日。
元のギターに戻り、演奏。
ほのぼのとした空気と温かな空気を重ねた空間。まっすぐ見たり視線を上にしたりと祐輔さんの表情を気にする。
忙しなかった日常を照らし合わせる。抱え込んだ物を取り出さないように必死で手で心をふさぐ。
そうしないと今日の自分の捉え方と違ってきそうで怖かった。
でも温かな音がとても綺麗で良かった。
この曲を聴いていると、その温かさを自分も持っていたいと思えてくる。
持っていたいけど、持てないって感じ。
でもそれが出来るならどれだけ良いだろうとも想う。
自分のキャパが足りないと気づくし、コップなんてかなり小さいって気もする。
でも溢れてもいいのかなとか。
零れたらすくえばいいのかなとか、そう感じた。


最後に曲紹介して淳人さんのカウントが入り、lemon teaに。
曲に合っているような明るい照明と心に「この感覚覚えがある」というざわめきを付ける音。
「毎日 毎日   似たり寄ったり  気乗りしないのに   誘いに乗ったりしなきゃいいのに…」
切ない声と、その声とは別に真っ直ぐ空を見ているみたいな視線。
淳人さんのドラムが刻む軽快なリズムが心地良くて、秀朗さんの放つ深い低音がとても温かい。
「nothing change」と声を合わせる弦楽器のお2人の声がとても綺麗でlemon teaの世界のふんわり切なく懐かしいという気持が溢れる。
曲が終わり、祐輔さんの「有難うございました。」で終わる。




今回のLIVE、祐輔さんとしては緊張されたと伺いました。
初披露のseasonではいつものアコギではありませんでしたし、ツアー初日の「はじまりの気持」が現れていたのだと想います。
seasonはISに無い涼しげな風があった気がします。
なんだろう…「フライ」で空を飛ぶという行動を知って、風に乗るというのを知ったのかなと。
「フライ」収録曲で「飛ぶ」という言葉がある曲、または「飛ぶ」という行為に連想される曲として
「一羽の鳥」では見上げていますよね。「ゆめみるさかな」では"はばたき"を見ている。
見上げるだけでは空にそよぐ風がどんなに涼しく冷たくてふわりとなっているか解らない。
「season」の歌詞をきちんと聞き取っていないので何とも言えませんが、「飛ぶ」という事柄に繋がる言葉無かったかも。
でもその「とぶ」という行為で得る風は感じられます。
ツアータイトル「フライ」。
心を音を言葉を風に乗せ、はばたく。
ツアーの全てを回る事出来ませんが、最終日の七夕でISが何を得て何を見つけて何を作ったのか楽しみです。




「 recollection 」TOPにモドル。
TOPにモドル。

女の子お絵かき掲示板ナスカiPhone修理