「recollection」-Live report-


MotherCoat 2004 2/5 渋谷Club Asia "Victor A&R 開発室主催 Live S.O.S."




1. 青で春
2. 安住の地
3. rainman
4. ニーチェ
5. No Beatles
6. 雨ニモ負ケテ


心音と混ざっているような音が鳴り響くSEが印象的。ざわめいた期待と「ああ、ヤバイ。魂ごと心ごと音に取り込まれるのだ。」という気持が出てきていた。
SEが流れつつメンバーの登場。各位置につき、SEに乗せるようにギガさんが喋る。
「2004年 2月5日 渋谷Club Asia MotherCoat Lowpop style」という言葉に合わせてSEが止まり内藤さんのカウントで「青で春」へ。


この曲はリズムに乗れる感じの曲で自分も当然振動に心が刻まれていました。
広いステージと高い高い天井一杯にそのリズムが刻まれて自分もその刻みの1つのような感覚。
でもやんわりと包み込む感がしたのは気のせいなのでしょうか?
ギターの音がそう聞こえたんだけれど…
歌詞の中で気にかかっている所があって”期待してみたんだ 僕自身の生き方を 今夜赤く春が染まる 友達は青いままだな”
「青い春」と書いて「セイシュン」と読んで、でも「赤い春」はどんな時期でどんな感覚なんだろう…
青春って自分では(私はね)「あ〜青春だ。」なんて感じないものかなと想う。だってしみじみ感じたりしない。そういう人間なだけか?
学生時代や十代の一時期をそう表現する事が多い。「青で春」にも”下校”や”先生”という学校を連想させる言葉が入っている。
それを超えた「もう青くない。だから赤くなるんだ」というのって何だろう。相反する色に自分が染まるというのって何だろう。
普段「真白になってしまいたい。」という私ですが、もし青くなっていたのなら赤くもなってみたい。そう何故か想ってしまった。
それは良いのか悪いのか…


「こんばんわ、MotherCoatです。」というギガさんの言葉の後にSEっぽいのが流れる。
そして「安住の地」。

打ち込み?のようなリズムの音がしっとりと流れる。その中でギガさんがふんわり浮かぶような声で歌っている。その声が淡くも感じられるのに深かった。
この曲はとても好きな曲の1つになってしまうかも。
帰宅して聞き取れて覚えた歌詞からどの曲か調べたら「安住の地」という曲だと判りました。
(それまでは曲名が判らず、ただ必死に聞き取った言葉と雰囲気を思い出してニヤリでした。)
その歌詞に凄く惹かれてしまった。
綺麗な音が絶えず響いていて、じんわりとふんわりと広がっていく音が油断をしてしまうと聞き手を引き込んでいくのが判った。
「包まれていく感覚」が「引き込まれその空気に溶け込んでしまう」という感覚と同じなのかもしれないなと想いながら。
でも「想っている」時点で既に自分は引き込まれているのでしょう。
歌詞の何処に惹かれるかと聞かれてしまったら、言葉が上手く繋がらない駄目な奴なので即答できないか「○○で○○で…」と言葉を繋いでつらつらしてしまいそうだけど。
この曲の持つ空気が好き。そしてグラリグラリと刺さるのにじんわりと広がる音がとても好き。


3曲目が「rainman」。
2月発売の音源にも入っている曲なのです。
ギターの音が流れて止まって、ギガさんが「俺は晴れより雨の方が好きだ。」と一言投げかけて始まったのが印象的でした。
ギターの音が流れて其処にドラムの音が刻みこんでいた。
ベースの音がその間にふわっと重みを持たせていた。
トキさんの動きが軽やかでなのにベースの音が軽やかなのに重みがあって(重低音だから当たり前なのかもしれないけど)じっくりと其処に漂うのがとても素敵だと想った。
何故か「優しいココロがある」と感じてしまうのですが、優しくしみこむような。
「空が好き」なんて想う私としては雨の日って空がどんよりしていて青くないから好きではなかったりします。
でも、ふと雨がパラパラしている時の見上げた感覚が好きになったり、明け方の激しい雨の光景が「光を含んだ雨空のトウメイさ」にビックリって感じになったりします。
「rainman」はそんな感覚とは全く違うかもしれませんが(作り手の感覚といつも違う事を感じてしまう感受性の怪しい生物なので…)


3曲目が終わった後も奏でられているギターの音が、グラリグラリと足を捉えて沈めていくみたいな。
そのまま「ニーチェ」。
足がそのまま沈められて抜け出せない感覚なのに「抜け出せなくてもいいよね。」なんて事を考えてしまう。
それなのに「聴かせる、響かせた言葉にさらりと心を触れさせる」ような曲に感じられたのが不思議だった。
さらりさらりグラリグラリ。相反する事柄としてよく使う言葉なのですが、この曲にはこの時には似ている意味を持っているような不思議さもあったりして。
さらっとそよぐ風が、実は体を思い切り吹き飛ばしたり。そよいでるかと想ったら風に揺れる木の葉がとてもなびいていたり。
そういう”さらりグラリ”な空気がある曲でした。この感覚って好きだ。


内藤さんのMC。ライブ告知をすらすらとさくさくとこなされるお姿はにょあ〜な気持です。
ギガさんのMCとはまた違った魅力をこの時に感じてうれしくなるそんな人が此処にいました。


内藤さんの曲紹介で「No Beatles 」。
この曲は音源として持っていて、初めてMotherCoatを観たLIVEで確か演奏されていた。
みょうじょうさんのギターが鳴り其処に音がどんどん重なっていくのがとてもカッコウイイのです。
弾き鳴らす感じと、一気に空気が入れ替わってグワ〜っとなる感じがとてもいい。カッコウイイ。
この時、かなりノリノリとなってしまった。
ときさんのベースがグイグイと重く重なり、内藤さんのドラムがリズムを音の振動を刻ませて覆っていく。
其処にギガさんの音が加わり声が加わり言葉が放たれていくのがとても好きです。
グラリグラリとした会場の空間にバツンと衝撃を放った感覚。物理的ではなく精神的なグワ〜なダメージ。
途中のトキさんのベースが一段とよく聞こえる場面、そして其処にぐわ〜っとくるギターの音。
それを救い上げて沈ませていくみたいなドラムの音が、ドキドキさせてしまう。


ギガさんのMCが入り独特な雰囲気が素敵だとしみじみ。
(SMAPの”世界に1つだけの花”の200万枚突破のお祝いとか言ってみたり…面白かったです。)


「雨ニモ負ケテ 」のノリ易い音がとても心地が良くてつい自分もノリノリな状態になってしまう。
歌詞を思い浮かべながら、そして言葉を紡ぐ音を奏でるメンバーを見ながら心は音の中に入り込んで魂が空気に溶けてしまったような。
この曲の歌詞はとても気になる歌詞で、自分の中にある「こうありたい。」とは違うけれど(なんせ無機質になりたい人間なもので)、なんだろう…「こうあろうとする人はこうなれないうえに”無機質であろう”とする自分が見ても”ああ…”と捉える事が出来るんだな」と頷くという。
どう言葉にして感想述べていいか判らないけど(苦笑)

綺麗なギターの音が流れて其処に音がどんどん重なる感じ。重なるよりは1つになっていく感じ。




最後の最後まで私はまたMotherCoatに引きずり込まれた。圧倒された感覚あり。
ずるいなぁとか想った。「こんなにも引き込んで圧倒するのね。」と。
何かに圧倒されるのは怖いものです。だって自分を見透かされてしまったみたいで自分を取り込まれてしまったみたいで怖い。
そんなのって怖いけど、音に圧倒されてもいいなと想った。
圧倒されてもいいのだと判った。
そんな感覚があった事はとても素敵で、とても必要な事柄。




ときさんの指弾きベースの動きと軽やかさ。綺麗なコーラス。
みょうじょうさんの「奏でる 弾く 流す」というストレートなギター。
内藤さんの心地の良い温かな、でもぬるま湯な温かさではないしっかりとした温かさを持ったドラム。
ギガさんの表現と言葉。心をぐいっと掴む声、そして動き。

圧倒されるのにはきっと此処に訳がある。



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